京都府宇治市で25日に開かれた「第3回俵万智の源氏ロマン吟行会」で、参加者は、柔らかな日差しに揺れる紅葉や朝霧橋を渡る風などに五感を研ぎ澄まし、歌作にふけった。
吟行前のミニトークで俵さんは、「宇治にはたくさん歌が落ちている。短歌という小さなタイムカプセルに思いを閉じこめて」と参加者を激励し、平安時代後期の建築とされる宇治上神社拝殿(国宝)や、「宇治十帖」のヒロイン浮舟と匂宮(におうのみや)が小舟で宇治川にこぎ出す場面を再現した「宇治十帖モニュメント」などをともに巡った。
兵庫県明石市の春名直美さん(60)は「紅葉が美しく、しぐさや言葉遣いまで優雅になれる場所。十二単(ひとえ)に身を包んだつもりで詠みたい」とペンを走らせた。
表彰式では「宙に飛ぶパンを捕らえてユリカモメ二十羽ほどが右旋回す」と詠んだ光源氏賞の長谷部和子さん(58)、「空青く朝霧橋は朱に栄(は)えて宇治の浅瀬にゆりかもめ立つ」「ゆりかもめ冷たくないか宇治川の浅瀬に赤き脚見せ休む」と詠み、俵万智特別賞に選ばれた脇坂伝兵衛さん(71)、田鶴子さん(69)夫妻らに、俵さんから賞状が贈られた。他の受賞者は次のみなさん。
▽紫の上賞 堀本玲子(奈良県橿原市)、新谷真貴子(同県広陵町)、佐々木隆義(大阪府高槻市)
▽藤壺賞 山本満里(京都市伏見区)、木村和也(大阪府豊能町)、竹島清美(堺市南区)
▽宇治十帖賞 上村満美(京都府宇治市)、杉本冷子(大阪市鶴見区)、北川美智子(大津市)