1000年前の平安王朝の恋愛模様が生き生きと浮かび上がった――。京都市左京区の京都会館で30日に開かれた第1回「源氏の世界を語る」リレー塾(読売新聞大阪本社主催)。第一線で活躍する文化人らが、独自の切り口で物語の魅力に迫り、観客らは紫式部が紡ぎ出した世界に想像を膨らませた。
「源氏の魅力〜千年の時を超えて」をテーマに講演した中西進・京都市立芸術大名誉教授は、「決して恋愛の成功者ではなく、むしろ孤独感や絶望感を味わっている。それでも、やむなく恋愛をしてしまう。弱さや切なさがある」と、光源氏の等身大の姿を解説。
「末摘花」を感情を込めて朗読した女優の水谷八重子さんは、フリートークでは、映画で「末摘花」役に起用された体験に触れ、「朗読してみたら、器量があまりの描かれようで、ショックを受けました」と笑いを誘い、「ベルサイユのばら」の作者の池田理代子さんは「男性が恋愛の技を磨くことに熱心だった点で、フランス王朝と似ている」と指摘した。
満席の中、熱心に耳を傾けていた関西学院大文学部の高木和子・准教授(平安文学)は「名場面を抜粋した朗読は、物語に触れるいい機会。自然と人が切っても切れない関係で描かれていることを解説された中西先生のお話にも共感した」。兵庫県三田市の無職久藤宣機さん(64)は、「池田さんの朗読では、源氏との恋愛に苦悩する六条御息所の思いが伝わってゾクゾクしました」と満足そうだった。