雅楽、語り、ピアノ……。大津市のびわ湖ホールで24日開かれた舞台公演「光源氏 さかさまに行かぬ年月よ〜美しき男たちの『源氏 音かたり』〜」(読売新聞大阪本社主催)。日本を代表する様々な分野のアーティスト6人が、それぞれの感性で光源氏を演出した。約2時間にわたり華麗に繰り広げられた舞台。観客らは平安貴族の栄華や情念に思いをはせた。
雅楽奏者の東儀秀樹さんが弾く琵琶の音が響いて幕が開き、東儀さんや俳優の橋爪淳さんら6人の〈光源氏〉が登場。光源氏の生涯が「求め続ける時代」「見つめなおす時代」「葛藤(かっとう)と苦悩の時代」に分けて演じられた。
橋爪さんは物語に登場する女性6人の名を紹介、バイオリニストの古澤巌さんとピアニストの塩谷哲さんは、その女性をイメージした短い曲を即興で披露した。声楽家の日野真一郎さんは、光源氏の恋心などを歌い上げ、華道家の小川珊鶴(さんかく)さんは、松やフジなどを大胆に生け、寄り添う男女の愛情を表現した。
大阪市都島区、無職落合尚武さん(65)は「橋爪さんの語りは観客を平安時代にいざなってくれた。情感がこもり、まるで光源氏自身が話しているようで引き込まれた」。京都市南区、主婦塩保さよさん(36)は「松などを生けるシーンは光に映え、物語が視覚的に浮かび上がった」と感動していた。
東儀さんは「舞台を見て、源氏物語を読んでみたい、もう一度触れてみたいという人が増えてくれればうれしい」と話していた。