音と語りの「新芸術」、華麗な雅の世界堪能

雅楽舞「陵王の舞」を披露する東儀さん(大津市打出浜のびわ湖ホールで)

 「源氏物語〜千年の時を超えて」シリーズの幕開けとなる舞台公演「光源氏 さかさまに行かぬ年月よ〜美しき男たちの『源氏 音かたり』〜」(読売新聞大阪本社主催、源氏物語千年紀委員会共催)が行われた24日、会場となった大津市のびわ湖ホール大ホールは、雅(みやび)の世界に包まれた。

 会場には、応募9000人の中から抽選で選ばれた1400人が詰めかけた。県外客も多く、源氏物語の人気の高さを物語った。

 雅楽師の東儀秀樹さん、バイオリニストの古澤巌さん、語りを務めた俳優の橋爪淳さん、ピアニストの塩谷哲さん、声楽家の日野真一郎さん、華道家の小川珊鶴(さんかく)さんの6人が、光源氏の生涯を華麗に再現した。

 斎藤俊信・県教育長は「音楽と語りが融合し、素晴らしかった。幽玄、雅の世界を堪能できた」。大津市内の主婦(60)は「和洋折衷で外国の人も楽しめる内容。華道家の小川さんの動きがきれいで、光源氏のよう」と満足げ。

 京都府城陽市の主婦(70)は「クライマックスは圧倒的な迫力。新しい芸術と言ってもいいのでは」と笑顔を見せた。

 物語の舞台となった京都の自治体などでつくる千年紀委員会の山本壮太さん(62)は「今回のような機会を利用し、一般の人にもっと源氏物語に関心を持ってもらい、千年紀を盛り上げたい」と話した。

 バッハの「シャコンヌ」を約15分間独奏し、光源氏の葛藤(かっとう)や苦悩を表現した古澤さんは終演後、「曲を弾いている間、光源氏と自分の人生がオーバーラップしたような気がした」。

 橋爪さんは「(最後の)せりふの後、涙が止まらなくなり、観客も泣いてくれているのが見えた」、塩谷さんは「観客の反応も良く、いい緊張感があった。何とか期待に応えられたと思う」と言い、小川さんは「物語のテーマである男女の寄り添う美しさを、男を象徴する松、女を象徴するフジで伝えられたのでは」と振り返った。

2007年03月25日  読売新聞)